SatoshiWatanabeの日記

利己的な遺伝子 ひとり読書会 4

今回扱う章では動物の行動の基本的な進化について述べられます。主にその制御系である神経系の進化について、また、遺伝子がどのような形でそれに影響を及ぼしているかについて語られます。

利己的な遺伝子 読書会1:人はなぜいるのか
利己的な遺伝子 読書会2:自己複製子
利己的な遺伝子 読書会3:不滅のコイル
利己的な遺伝子 読書会4:遺伝子機械

第4章 遺伝子機械

この章の内容は大まかに


  1. 植物と動物の基本的な違い
  2. 神経
  3. 神経系の進化
    1. 筋収縮の制御・調整
    2. 記憶
    3. フィードバック
    4. 学習
    5. シミュレーション
    6. 意識
  4. 行動のための遺伝子
  5. コミュニケーション


となっています。

1. 植物と動物の基本的な違い

遺伝子が作り出す生存機械には系統学上の分類体系があります。最上位の階級はドメインで、アーキア古細菌)、バクテリア(細菌)、ユーカリア(真核生物)の三つがあります。その下の階級に界が存在します。植物界、動物界、菌界が所属するのはユーカリドメインです。


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分類体系

画像:wikipedia


この章ではまず動物界の生物が植物界の生物に対して何が大きく異なるのかが述べられています。植物と違い動物は可逆的な運動が可能である事が大きな違いですが、それを実現するために必要となる要素には

  • 骨・間接が存在する
  • 関節を動かすための筋肉・腱が存在する
  • 筋肉を動かすための神経が存在する


の三つがあります。特に筋肉の複雑な連携を可能にする神経系に注目しています。ここで神経系の働きをコンピュータに例えていますが、さすがに40年も前の本だけあって例えが現代の情勢には見合わなくなってしまっています。つまり本文中では一個の頭骨にはわずか数百個のトランジスタしか詰め込めないと書かれている部分です。私の持っている30周年記念盤での補注では今日では一個の頭骨に詰め込めるトランジスタ相当物の数は数十億に達するに違いない。と修正されています。


が、ここで実際2019年現在ではどんなものかなぁと興味がわくと思いますので簡単に調べてみました。Intelが(このブログを書いている)2日前の2019/8/1に出荷を開始した 10\mathrm{nm}プロセス技術では、GP(Gate Pitch)が 54\mathrm{nm}、MP(Minimum Metal Pitch)が 36\mathrm{nm}とされています。これは半導体の間隔が 54\mathrm{nm}\times 36\mathrm{nm}であることを表しています。具体的には下記の後藤弘茂さんの記事をご覧ください。


pc.watch.impress.co.jp


つまり隣り合う半導体との間隔を考慮した上での一個当たりの面積は


 54\times 36=1944\mathrm{nm}^2\left(=1.944\times10^{-11}\mathrm{cm}^2\right)


となります。一方、脳の両半球の皮質の合計表面積はおおよそ 2350\mathrm{cm}^2です。ですので皮質表面をウエハーのように見なした場合、


 \displaystyle\frac{2350}{1.944\times 10^{-11}}\approx 1.209\times 10^{14}


と、おおよそ120兆個のトランジスタが印刷可能です。簡単のため脳の両半球の皮質の面積で計算しましたが、実際に頭骨内全体であればはるかに多くの量のトランジスタを詰め込める計算です。つまり補注に書かれている「数十億」ですらまるで足りない時代になっています。


出所:
Brain Size and Folding of the Human Cerebral Cortex | Cerebral Cortex | Oxford Academic

2. 神経

わき道にそれたので話を元に戻します。注目すべきは神経系の進化なのですが、その話に入る前に簡単に神経細胞についての説明があります。神経細胞は大きくニューロングリア細胞がありますが、ここではニューロンについてのみ簡単に説明されています。


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神経細胞

画像:wikipedia


ニューロンは基本的には樹状突起や細胞体から入力を受け、軸索末端から出力を行います。本書では簡単のためその程度しか説明はされていませんが、当然そんなに単純ではなく、実際には単極・双極・偽単極・多極など様々な伝達方法を取るニューロンがあります。また、グリア細胞にも触れられてはいませんが、上図におけるシュワン細胞を初めマクログリアと呼ばれる細胞群はニューロン髄鞘を形成するなどの形で伝達に関係します。入力として受けた信号は軸索初節で集約を受け、活動電位が生じるか否かが決定されます。活動電位が生じた場合軸索末端まで電位が伝わりシナプスで別のニューロンに対し通信が行われます。中枢神経系の多くは化学シナプス、つまり化学物質による通信を行うシナプスで形成されています。


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構造図

画像:wikipedia


具体的な話は神経科学の話をするときに回してここではこのくらいの簡単な説明にとどめます。

3. 神経系の進化

1. 筋収縮の制御・調整

動物が行動を起こすためには筋収縮を起こさなくてはいけません。これにより間接が曲がり動きが生まれます。ところがただやみくもに動かしてもその生存機械は生命維持と繁殖をうまく成し遂げることはできません。そこで外界の物理的事象に対応した動きを生み出すための筋収縮の制御・調整を行う系として神経系が働きます。初めは目などの感覚器から感覚神経を通した入力により外界の情報を得た中枢が、その外界にあるであろう環境に適した出力を運動神経を通して筋肉を動かすだけの単純な神経系が構築されたものとみなされます。本文でも例として挙がっているイソギンチャクなどはそれです。ところがその時得た入力に対応する出力を場当たり的に行うだけでは単純な反応しかできず、多様な外界に対応することが難しくなります。


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イソギンチャク

画像:wikipedia


2. 記憶

そこで記憶が発明されたであろう、と続きます。記憶があるおかげで入力に対し時間差を持った出力が行えるようになり、ひいてはこの後に語られる学習を行うための下地にもなります。将来の行動へ学習結果を反映させるためにはやはり記憶が必要です。ちなみにヒトのエピソード記憶を担うとされる海馬はタツノオトシゴのことを意味します。英語だと海馬はhippocampusですがこれはそのままタツノオトシゴという意味です。解剖写真等を見たことがある方はお分かりかと思いますが海馬の形状はタツノオトシゴそっくりなためこの名がついています。


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タツノオトシゴ(hippocampus)

画像:wikipedia


ここで生存機械の合目的性について語られています。つまりどのような生物も「目的」があるかのようにふるまう、という話です。ヒトであれば意識的に目的を持ち行動することが出来ます。同じようにどの動物も意識的に行動しているのか、という疑問があります。ここではその答えは明示されませんが、それは淘汰を語る際にはどちらでも差し支えない事であるから、というのが理由です。1章でも利他的・利己的の定義の部分で語られたことがここでも述べられています。つまり意識的にその出力をその生物が行ったかどうかは淘汰を語る上では問題ではなく、淘汰に関係するのはあくまで出力結果のみであるという内容のことです。


3. フィードバック

では、生存機械の筋収縮の複雑な組み合わせはどのようにして実現しているのでしょうか。ドーキンスはその原理を負のフィードバックから語っています。負のフィードバックの原理があれば意識的でなくとも意識的に動いているかのような動きが実現できるという話です。このことからも意識に類するものの仮定はやはり必要ないものであると語られます。


4. 学習

いくら記憶がある事によってある程度複雑な対応が可能になったからといっても変化する外界に対し十分な機能とは言えません。そこで遺伝子は学習機能を持った脳を発生させると変化に対応できるようになります。あくまで遺伝子は学習機能を持った脳を作成することが主な仕事であり、その具体的な学習過程や学習結果による行動を直接制御しているわけではないということが強調されます。この強調はあくまで速度を求められる場合の話に限った主張であると思ってよいと考えます。なぜならば遺伝子は学習の間にも行動の間にも外界からの刺激に対応し、タンパク質濃度の調整などにより直接的に神経細胞の働きに影響することは通常に起こることだからです。私としてはドーキンスのこの主張を速度が遅いケースにまでそのまま当てはめて考えると誤謬につながりかねないと思います。


比喩の一つとしてチェスプログラムについて触れられています。ここでもまたこの本の時代を感じる話が登場します。本文ではもっともよくできたプログラムでさえいまだ名人の域に達しないのも致し方ないのである。とされています。さらに補注でさえ世界一強いプログラムは、やがて名人(グランドマスター)に本格的に挑戦することになるだろう。という内容です。当然現在はどうかと興味を持ちます。調べてみた結果、

  • チェス
1997年、IBMディープ・ブルーが現役のチェス世界チャンピオンガルリ・カスパロフを6戦2勝1敗3引き分けで破る
  • 将棋
2017年、山本一成氏のPonanzaが現役の名人佐藤天彦を2戦2勝で破る
2017年、Google DeepMindのAlphaGoが当時非公式レーティング世界第一位の柯潔を3戦3勝で破る


のようになっています。もはやヒトの神経系の演算能力をもってテーブルゲームでコンピュータに勝つことはすでに難しい時代だと実感します。あとはどれだけヒトの神経系の演算能力を大きく突き放せるかという世界です。ここで囲碁の「非公式レーティング」というのが分かりづらいと思いますが、ここ→Go Ratingsでそのレーティングが見れます。WHR(Whole-History Rating)というアルゴリズムで勝敗結果よりレーティングしているようです。現時点(2019/7/30)の柯潔(Ke Jie)は世界第三位となっています。


5. シミュレーション

さて、よくわき道にそれますがまたもとに話を戻します。学習の機能は確かに有効ですが、これだけでは未来予測のための機能としては十分ではありません。試行錯誤から学習しなくてはならない場合は時間・労力・リスク共にコストがかさむためです。そこで脳がシミュレーション機能を持てばより有効に未来予測が可能です。短時間・低労力・低リスクでの未来予測が実現します。前項の学習も強化学習の類なのでコンピュータが得意とするところですが、シミュレーションもやはりコンピュータの得意とするところです。FFS(Full Flight Simulator)などは航空機乗組員の訓練、試験、審査だけではなく開発段階でのテストにも使用されます。下記はロシアのスホーイ社のスーパージェット100のFFSです。


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スホーイ・スーパージェット100のFFS


6. 意識

シミュレーション能力が発展していくとついには意識が生じると話が展開されます。ドーキンス自身も意識の問題は生物学における最大の問題の一つと認めています。が、それだけではなく神経科学においても意識の問題は最大の問題の一つです。ここでのドーキンスの主張では


たぶん、意識が生じるのは、脳による世界のシミュレーションが完全になって、それ自体のモデルを含めねばならぬほどになった時であろう。


と、神経科学的というよりもむしろ哲学的な推測をしています。しかし彼自身もこの考え方によって意識の進化を十分に説明できるとは思わない。と認めています。

4. 行動のための遺伝子

神経系の進化の話が一段落すると、続いて遺伝子視点での行動への影響へと話が進みます。言及するのを省略してしまいましたが本章の初めに


実際的には、第一近似として、「個体というものはその全遺伝子を、のちの世代により多く伝えようとするものだ」とみなしておくのが、多くの場合、便利である。以後私はこの便法に従って話を進めることにする。したがって、特に断らない場合は、「利他的行動」と「利己的行動」は動物のある個体が別の個体に対して行う行動をさす。


と断りが入っています。これまでさんざん遺伝子こそが淘汰の単位であるとしてきたためにこの扱いには多少の違和感を覚えるかとも思いますが、厳密には淘汰の単位が遺伝子である事には本書を通じて変わりありません。あくまで近似としてならば個体間の利己性・利他性として扱えるという断りにすぎません。また注意したいのは3章でも強調されていましたが、ある「行動のための遺伝子」と彼が言う場合、あくまでそのほかの条件が同じならばその遺伝子の対立遺伝子に比べてその行動を導きやすい遺伝子、といった意味で用いられています。決してその遺伝子が複雑な一連の行動のすべてを支配しているという意味ではありません。これを踏まえて、ミツバチによる腐蛆(ふそ)病にまつわる衛生行動のための遺伝子の例が挙げられています。腐蛆病菌の感染で腐蛆病にかかった幼虫は解けて穴の中に固着します。また、巣内の幼虫だけではなく養蜂場の場合は近くの他の巣の幼虫にまで伝染します。


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アメリ腐蛆病

画像:wikipedia


あるミツバチの系統は全く腐蛆病に対応しません。そのためこの病気が蔓延しやすい傾向があります。ところが別のミツバチには病気の蔓延を防ぐための衛生(Hygienic)行動をとる系統があります。衛生行動の具体的な内容は、


A1: 病気にかかった幼虫をみつけ、その巣室のろうのふたを外す
A2: 巣室の中にいる病気の幼虫を巣の外に捨てる


といったものです。この行動は細かく分ければもっと複雑な動作ですが、本書ではローゼンブーラーが論文内で扱ったのと同じ行動の分け方に倣って説明しているため、この二種類に大別しています。ローゼンブーラーは衛生系統と非衛生系統を掛け合わせてF1(雑種第一代)を作りました。するとF1はすべて非衛生行動でした。ところがこのF1と衛生系統を掛け合わせると4種類の行動が観測されました。その内容は

  1. 完全な衛生行動をする(A1、A2両方)
  2. ろうのふたを外すだけ(A1のみ)
  3. ふたの空いた巣室にいる幼虫を捨てるだけ(A2のみ)
  4. 全く衛生行動をしない


というものです。これは典型的な二種類の劣性遺伝子による振舞です。つまり模式図で表せば


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ローゼンブーラーの実験


といった具合です。実際には雌のミツバチは二倍体(32本の染色体)、雄のミツバチは一倍体(16本の染色体)です。ですので上の模式図はあくまで複数コロニーにおける実験結果を集約した模式図であり、女王バチと雄バチの交配自体を直接表しているわけではありません。論文中ではFig. 14.で表記されているものと同じことを説明しています。


出所:Rothenbuhler, W.C. ミツバチにおける巣の清掃の行動遺伝学
[PDF] BEHAVIOR GENETICS OF NEST CLEANING IN HONEY BEES. IV. RESPONSES OF F1 AND BACKCROSS GENERATIONS TO DISEASE-KILLED BLOOD. - Semantic Scholar


この実験は以下の二点を示す根拠の一つとされています。


  1. たとえ遺伝子から行動に至る、胚発生上の原因の科学的な連鎖がどのようなものかを全く知らなくてさえ、「何々行動のための遺伝子」という言い方をして、いっこうにかまわない
  2. 遺伝子たちがその共有の生存機械の行動に「協力しあって」作用をおよぼすという事実を示している


また、ここでも個体の意図ではなくあくまで出力結果(行動の結果)にこそ意味がある旨があらためて述べられています。つまり、巣のふたを外す行動をとるミツバチが衛生行動のつもりで行動をしていようが、腐蛆病にかかった幼虫の巣のふたがおいしく感じるから食べてしまうのであろうが、その個体によって腐蛆病の幼虫のふたが外されるのでさえあればどちらでも淘汰上の意味は変わらないということです。

5. コミュニケーション

章の最後にコミュニケーションについて言及されています。まず脳に関して


生存機械と生存機械のための決断を行う脳とにとっても最も重要なのは、個体の生存と繁殖である。


と述べられれています。これはもっともな事なのですが、個人的に「繁殖」という言葉が引っ掛かりましたのでまたわき道にそれます。個人的には個体が最重要課題として果たすようにプログラムされるであろう方針は生存と「増殖」であるという表現を好みます。ですのでドーキンス生存と繁殖という言葉に引っかかりを覚えました。では具体的に増殖と繁殖の生物学上の意味の差は何か調べてみました。結果は

  • 増殖
生物の個体・細胞などが数を増す現象
  • 繁殖
生殖により個体が増えること


出所:広辞苑


のようでした。つまり増殖といった場合多細胞生物の体細胞分裂のように個体の数が増えない場合にも使え、繁殖はあくまで個体が増える場合に用いる言葉だということです。ここで「栄養繁殖は?」と疑問に思う方もおられるかと思います。言葉の定義からすれば栄養繁殖の場合別個体にならない間は多細胞生物の体の一部(繁殖ではなく増殖)とみなされ、独立した場合は別個体(繁殖でもあり増殖でもある)とみなされるべきでしょう。ところが体細胞分裂をしている時点で潜在的には別個体なのだから増殖が事実上の繁殖として扱えるではないか、とも考えられます。まぁともあれ個体に働く淘汰を考える際には繁殖でも増殖でも主張したいことに変わりがあるわけではないので、とりあえずこだわらないでおこうと思います。


では本筋のコミュニケーションの話題に戻ります。コミュニケーションした、とはどのような事を指すのかと言えば


ある生存機械が別の生存機械の行動ないし神経系の状態に影響を及ぼすとき、その生存機械はその相手とコミュニケーションしたということができよう。


とされています。ようは「別個体の神経系の状態に影響を及ぼすこと」が「コミュニケーションすること」だと要約できます。この定義からも明らかなように、ここで言うコミュニケーションは一方的な通信を含みます。つまり双方向通信である必要性は主張していません。このコミュニケーションの実例のなかで「嘘」について語られています。


たとえば、ある小鳥がタカのいないときに「タカがいるぞ」という信号をつかい、それによって仲間を怖がらせて追い払い、食物を独り占めしたとしたら、この鳥はうそをついたといってよい。この鳥が故意に意識的にだまそうと意図したというつもりはない。


この類の強調はこの章だけで三度目です。1章でも強調されていましたがこの本では頻度高く強調されます。つまり


淘汰にとって意味を持つのはあくまでその個体の出力であり、神経系内部でどのように処理されたかは意味をなさない


という主張です。どんな意図をもっていたかではなく何を行動したかに対して淘汰は働く、という概念は、進化を理解するためにそれほど大事なことであるとドーキンス自身が強く伝えたがっていることが見て取れます。


最後に生物の「嘘」についていくつか具体例が出ています。

  • ベイツ型擬態:ヒラタアブ
ハチにそっくりな見た目で周囲に危険を知らせ捕食されないようにする

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オオフタホシヒラタアブ(Syrphus ribesii)


体の一部をのたうつ虫に見せかけて小魚をおびき寄せ食べる(イザリ「躄」が差別用語のため現在ではカエルアンコウといいます。原著では"Angler fish"となっていますのでアンコウ一般です。)

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カエルアンコウ


  • 繁殖のための擬態:ハナバチラン
雌のハナバチそっくりな見た目を持ち、雄のハナバチに交尾をさせ受粉に利用する(ドーキンスが本書で述べている"ハナバチラン"はおそらく"オフリス・アピフェラ"のことだと思います。原著では"Bee orchid"となっていますので。)

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Ophrys apifera(Bee Orchid)


  • 攻撃擬態:フォトゥリス属のホタル
フォティヌス属のホタルの雌の発光パターンをまねることでフォティヌス属の雄をおびき寄せ食べる

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フォトゥリス(Photuris)           フォティヌス(Photinus)

画像:wikipedia


今回はこのくらいにして次回は第5章 攻撃を読んでいきたいと思います。


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